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歯科衛生国際シンポジウムin Australia

 歯科衛生士の杉山です。

 少し前になりますが、815日(木)~817日(土)、オーストラリアのブリスベンにて歯科衛生国際シンポジウム「2019 International Symposium On Dental Hygiene(ISDH2019)」に参加してきましたので、報告します。

 32カ国以上の加盟国により3年に一度行われるシンポジウムで、今回の大会テーマは「LEADERSHIP EMPOWERMENT ADVANCES DIVERSITY」とし、世界各国から約1,500名、日本からの参加者は約25名が集まったそうです。

 オープニングセレモニーでは、アボリジニの伝統的な演奏、歌、ダンスが披露されたのち、各国の歯科衛生士が次々と国旗を持って入場行進を行い、オリンピックの開会式のような様子でした。

歯科衛生国際シンポジウムin Australia

 メインホール、たくさんの会議室にて歯科口腔衛生に関わる様々な講演・ディスカッションが行われ、参加者は各々会場内を行き来して聴講していました。私が聴講した内容は、「小児、成人、高齢者各世代における予防戦略」「超音波スケーラー単独使用とハンドスケーラーを併用した歯周治療の効果の比較」「歯周病とインプラント周囲疾患における科学的バイオフィルムコントロールの役割」「メインテナンスプロトコル”GBT”歯とインプラントにおける使用方法」などです。私自身日頃から興味があることやセミナーでお話させて頂いている内容に関して、海外の歯科衛生士がどのように考え診療に活かしてしているのかを学ぶことができました。講演の中では、器材・薬剤や手技についてはもちろんですが、それ以上に”患者さん、歯科医師、歯科衛生士の「パートナーシップ」「信頼関係」「情報共有」”などを強調する内容が多い印象で、コミュニケーション力の重要性を改めて感じました。

歯科衛生国際シンポジウムin Australia

 また、口の中に病気がある人を治すことはもちろん大切ですが「健康な人が健康であり続けるためのサポートが重要」という講演も多くあり、参加者は共感しながら聴講していました。こんなにも多くの歯科衛生士が世界中から集まる学会には初めて参加しましたが、講演中演者の話に対して参加者が頷いたり、笑ったり、コメントしたり、時間内に答えられないほど多くの質問がされるなど、積極的に学ぶ姿勢がとても印象的でした。

歯科衛生国際シンポジウムin Australia

 私は日常診療においてマイクロスコープを使用しており、周りでも仲間が増えてきているのですが、驚いたことに3日間の学会期間中マイクロスコープに関する話題を聴くことは一度もありませんでした。世界的にマイクロスコープを使用する歯科衛生士はまだほとんどいないそうです。歯科衛生士がマイクロスコープを使うことは、患者さん、歯科医院、そして歯科衛生士自身にも大きなメリットがあり、実際に会場で知り合った各国の歯科衛生士にマイクロスコープの動画を見てもらったところ「私も使いたい」と大感激してくれていました。今後、私たち日本の歯科衛生士が世界に発信していく必要があると感じました。

歯科衛生国際シンポジウムin Australia

 初日のウェルカムレセプションではオーストラリア特有の動物達と触れ合って写真を撮影したり、2日目の夜に行われたガラディナーでの他国からの参加者との交流など、今回が初めてのISDHの参加でしたが、海外の学会の華やかな雰囲気を満喫することができました。

 世界各国の歯科衛生士が集まって講演、ディスカッションし、交流できる国際学会はとても刺激的で学ぶことが多く素晴らしい経験ができました。

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